2013年11月27日水曜日

☆登山中の腰痛と膝関節痛について

みなさんは、登山中に、腰の痛みや、膝の痛みを感じたことはありませんか?

登山に限らず起こる、腰痛と膝関節痛。

これにはさまざまな原因があります。

怪我や加齢からくるもの。
最近ではストレスなどの心因性が原因というものもあります。


でも、登山を楽しむ健康な人でも、腰痛や膝関節痛になることは珍しくありません。


その原因は何か?


それは、大腿四頭筋と大腿二頭筋の、筋力不足と柔軟性不足です。

太ももの表と裏の筋肉です。

特に、大腿二頭筋(太ももの裏)が張っていると、腰痛になります。

この筋肉は、脛骨(脛・すね)の上部から骨盤に繋がっています。

つまり、大腿二頭筋が凝り固まり、張っていると、骨盤を下に引っ張る状態になり、いわゆる骨盤が寝てしまう(骨盤が落ちる)状態になってしまいます。

骨盤が寝ると、姿勢も悪くなり、背骨のラインも正常ではなくなってしまいます。

姿勢が悪いと、さらに筋肉が凝り固まり、血流が悪くなります。


腰痛の悪循環ですね。


でも、ご安心を。
改善策は、ちゃんとあります!


改善策はズバリ、ストレッチです。
筋肉を柔らかくしてあげることです。


老化とは、大腿部の筋肉量の減少のこと、とも言われています。
日々のトレーニングで大腿部の筋肉を鍛え、ストレッチで柔軟にしておく。


これが、腰痛の根本治療です。


膝関節は「神の苦心作」と呼ばれるほど、構造が複雑で(実際には単純な構造ゆえに、複雑に腱と筋肉が絡み合っている)その膝関節をグラつかないように安定させているのが、やはり筋肉です。

この筋肉も、大腿二頭筋(太ももの裏)です。


ちなみに、あまり歩かない人は、内転筋群(太ももの内側)が衰えて、O脚になりやすいと言われています。

適正な筋肉は、身体のバランスを維持しているのですね。


膝に水が溜まるのも、筋肉の柔軟性が原因のひとつです。
身体の中の水は、常に流れているものですが、筋肉が凝り固まると流れが悪くなり、文字通り水が滞る、溜まってしまうのです。


おさらいですが、腰痛と膝関節痛は、太ももの筋肉の、筋肉不足と柔軟性不足です。

登山で足腰を鍛え、ストレッチで柔軟性を維持し、柔らかい筋肉と正しい姿勢で血流を良くしてあげることが大切だといえます。



追記(2014年8月25日)

ボクは毎日山に登ってますが、疲労回復や体調管理の方法、腰痛軽減の具体的な実例を話したいと思います。

先ず、本文で述べたストレッチですが、腰痛軽減のためには日常的に行うことが望ましいのは言うまでもありません。

ストレッチは種類が豊富ですが、分からなければ身体を前に折り曲げる前屈だけでもいいです。

下半身の後ろ側が伸びるストレッチです。

これは腰痛対策と同時に疲労軽減に大きな効果を発揮します。

毎日登っているボクが疲労を溜めないでいられるのは、この前屈のお陰だと断言できます。

何故断言できるのか?

ハードな山行を終え、山小屋到着時に大雨が降っていたりすると、ツアーでもストレッチを省略することがあります。
もちろん、山小屋の部屋で各自ストレッチをするように指示しますが、これを自分も怠る時があります。
すると、就寝時に脚を攣ることがあるのです。
決してガイドだからといって攣らないわけではないのです。

筋肉は運動直後から硬直を始めます。
つまり、山小屋に到着したときや、下山直後、直ぐにストレッチを開始するのが理想です。

運動直後に前屈をしっかり行ったときは、山小屋の布団の上で脚を攣ったり、翌日に筋疲労を残したことは一度も有りません。




次に腰痛対策に効果的なのはストックです。

ストックは登りの筋疲労の軽減に絶大な効果を発揮します。
そして、下山の筋疲労と膝の靭帯を守るのにも効果絶大です。

もちろん、ストック無しで歩ける技術と脚力があれば無くてもよい代物です。

ガイド時ザックの重量は大体12キロくらいあります。
緊急時、危急時対策のための装備品が詰まっています。

ボクは普段、ダブルストックを使用していますが、以前、たった1日だけストックを使わずに歩いたところ腰痛が発症しました。

原因はストックを止めた時、猫背になり足腰に負担が掛かってしまったからだと自分では分析しています。
ストックは足腰の負担を軽減するだけでなく、腰の負担を減らす正しい姿勢をつくることにも役立っていたのです。
直ぐに以前のダブルストックを使用して歩いたところ、あっという間に腰痛は治りました。

ストックを有効活用することも腰痛対策になります。




疲労回復で実際に行っていることは、下山後の温泉での交換浴です。

これは、温冷交換浴と言って、先ず温かい温泉に浸かり、その後冷水に浸かります。
冷水は当然冷たいので最初は膝から下くらいだけでも良いです。

ボクは慣れてるので一気にザブンとイキますが・・・心臓がビックリしない程度で少しずつで良いと思います。

温かい温泉に浸かると血管が拡張します。
冷たい冷水に浸かると血管が縮小します。

そして、再び温かい温泉に浸かると、元の状態より更に血管が拡張し血流が良くなり、血中の老廃物を一気に送り出すことができるのです。

効果はハッキリ実感できるほどです。




最後に、体調管理の部分での自論ですが、風邪対策の時の常識で、うがい手洗いがありますが、ボクが気を付けているのが歯磨きです。

口腔内を清潔に保つことです。

当たり前の習慣ですが、恥ずかしいことに就寝前に歯磨きを怠った時の翌朝に風邪を引いていることが経験上何度かあります。

しっかり歯磨きして口腔内を清潔な状態で就寝した時は、翌朝、風邪の初期症状の喉がおかしいなってことがまずありません。

当たり前の習慣なんですけどね。





最後に、登山の様な有酸素運動は、身体の毛細血管を発達させます。

これはわりと短期間に発達します。

逆に運動の習慣を止めるとまた直ぐに戻ってしまうのですが・・・。

ボクは以前、偏頭痛や、男なのに冷性がありました。

登山を始めてからは、頭痛薬も飲まないし、冷性もありません。

身体の基礎を作り上げる登山は、素晴らしい運動といえます。


追記(2014年10月15日)

登山ツアーの繁忙期ももうすぐ終わりますが、夏から秋にかけてほぼ毎日山を歩いていました。

肉体的疲労と精神的疲労の両方が原因で、腰痛の症状が再発してきています。

特にお尻の筋肉が疲労しており、坐骨神経を圧迫して痛みが増しているように感じます。

改善策として気を付けていることは、ストレッチやマッサージで疲労した筋肉を柔らかくしてあげることと、身体を温めることです。

ストレッチを毎日入念に行っていれば、腰痛の症状はほぼありません。

しかし、ちょっとサボるとたちまち腰痛の症状が悪化します。

毎日山を歩く職業としてはセルフケアはとても大切だと実感します。

そしてもう一つとても重要なことがあります。

季節の変わり目は体調不良になることも多いですが、特に秋から冬にかけては身体の冷えに注意です。

腰を冷やすと腰痛が悪化します。
温めると楽になります。

これは腰に限らず、身体の全ての部分で同じことが言えると思います。

喉が冷えると風邪を引きます。

身体の深部が冷えると免疫力も落ちます。


骨盤周りが凝り固まり、動きが悪くなると腰痛になります。

ストレッチで筋肉を柔らかく可動域を正常にし、身体を(腰を)冷やさない。


つまり、登山などで脚の筋肉を鍛え、ストレッチで脚部と骨盤周りの柔軟性を高め、身体を冷やさないように心掛ければ、腰痛は改善します。



追記(2015年10月18日)

腰痛は日々の運動と、身体の可動域、筋肉の柔軟性を保つストレッチで腰痛対策を行うことが一番です。
これは、これまでに記述してきました。

でも、このことを行っても腰痛が悪化してしまう人には、実は最大の原因があります。

それは、心因性のストレスです。

ボクが、1年を通じて一番腰痛が悪化する時期は晩秋です。

繁忙期の夏、肉体的なストレスが掛かりますが、これは腰痛にさほど影響が無いと思っています。
それよりも、腰痛の最大の敵は心因性のストレスです。

これは学術的にも証明されてますが、ボク自身の実体験として確信しています。

仕事が忙しく、ストレスが掛かかると腰痛が悪化します。

ストレスが軽減すると、腰痛も無くなります。

腰痛に悩み、改善を望むなら、ストレスから解放されることです。

本当に腰痛で悩んでるなら、具体的な心因性ストレスの原因から上手に逃れ、コントロールしてみてください。

きっと、劇的に改善するでしょう。

身体の要、腰は肉体と精神、両方の健康バロメーターと言っても過言ではないでしょう。




追記(2016年4月25日)

腰痛対策のストレッチについて実体験を紹介します。

重いザックを日常的に背負っていると、腰痛の症状が酷くなる時期があります。
更に最近、趣味でロードバイク(自転車)に熱中し、その前傾ポジションから腰痛が悪化しました。

そこで、これまでに記述したように、前屈等の太ももの裏側のストレッチを行い、そして驚くほど劇的に改善することができました。

日常的にストレッチを行うことが腰痛の根本治療ですが、ここで言う劇的に改善とはどうゆうことか?

これまでは、ストレッチを5分から10分程度簡単に行い、それなりの効果を得ていました。
日常的に行うストレッチはもちろんこれで良いと思います。

しかし、日々のトレーニングで肉体を酷使し、腰痛が悪化したとき、これはまずいと思いストレッチを1時間程入念に行いました。

やっていることは同じです。
違いは時間です。1時間みっちり真剣に行いました。

真剣に腰痛に悩んでいる人は、やってみてください。
真剣にストレッチです。

なんとなくやったではなく、1時間真剣に。

その効果にきっと驚くでしょう。

効果が薄い時は、当たり前のことがしっかり出来ていないことがあります。
そのことを実感した体験でした。




追記(2018年9月25日)

腰痛が完全に消えた事例を紹介します。

腰痛について考え、悩み、改善方法を模索していく中で、完治してしまった事例です。

自身の中では決定的であり、今後腰痛が再発したとしても、この方法で治ってしまうという自信があります。

酷い時は椅子から立ち上がることも困難な腰痛が完全に無くなりました。

それは、体重の相対値です。

体重が増えると腰痛が酷くなります。

体重が減ると腰痛が軽減します。

ダイエットで体重を約3㎏落とし、毎日腹筋運動を行ったところ、腰痛が無くなりました。

あれほど酷かった腰痛が軽減でなく、完全に消えました。

自分の症状の場合、この方法が結論です。

体重と腹筋力のバランスです。

体重の相対値とは、例えば腰痛持ちの体重60㎏の人が63㎏に増えると腰痛が悪化します。

そしてダイエットに励み、62㎏まで落とすと腰痛は軽減します。

元の60㎏の時より2㎏多いのに症状は軽いです。

体重が相対的に減ったからです。

更にダイエットし58㎏まで落としたとします。

腰痛は消えるでしょう。

しかし、60㎏に戻ると腰痛は悪化します。

最初の60㎏の時よりも腰痛は悪化します。

体重が相対的に増えたからです。

腹筋を鍛えることは大切ですが、体重が増えることとの、体重と筋力のパワーウエイトレシオを考えると、減量の方が遥かに効果的です。

今より体重を落とし(理想体重まで)、そして今後増えないよう維持し、腹筋運動とストレッチを習慣化する。

これで痛みは消えます。

それはあまりにも絶大な効果です。

あれほどの痛みが消えたのです。

身体の要を支える筋力と体重の関係性に驚いた事例でした。