2014年11月8日~9日
午後5時、JR中央線茅野駅でお客様と合流し、八ヶ岳に向かった。
そこは、お客様のお気に入りの場所。
誰もいない道をヘッドランプの明かりを頼りに歩く。
カラマツ林に囲まれた居心地の良いその場所でテント設営し、風を感じ、月や星を眺めるのが今回の目的。
遠くに八ヶ岳の黒いシルエットが浮かぶ。
ヘッドランプの明かりを消しても辺りが明るいことに気付いた。
雲の向こうに月があるのだ。
暫くすると雲が抜け、月が姿を現した。
天を仰ぐと、ぐるりと視野を囲むようなカラマツのトンネル。
そのシルエットの先に、月に照らされた雲が、風に乗って僅かに動いているのが見えた。
テントの中で聴こえるのは雨音。
それは紛れもなく雨の音。
黄金の雨粒がテントを叩いた。
パラパラと落葉するカラマツの雨だ。
夜更けに目覚めると、テントから顔を出し月夜をじっと眺めるその姿があった。
短い時間だったけど、目的は達成されたのだ。
そう思った。