2014年6月29日日曜日

乾徳山(山梨百名山)

2014年6月28日

雨の乾徳山!

今回はガイドの目線で、何を感じ、考え、行動したかをご紹介します!


朝、中央線塩山駅に降り立つと、多くの登山者で賑わっていました。

乾徳山の鎖場での渋滞が心配だけど、この塩山駅からは金峰山や甲武信ヶ岳、大菩薩嶺、西沢渓谷に向かう登山者で分散されます。
結果、ボク達が向かった乾徳山は、殆ど登山者はいませんでした。

岩場、鎖場のテクニカルな乾徳山は、雨が降ると登山者が減るのは納得です。

出発前から、核心部の鎖場をどうするか?頭から離れません(^^ゞ

電車の改札口で、ツアー本隊を待ちます。
特急あずさが到着すると、続々とザックを背負った登山者が歩いてきます。

山ガールもいっぱい・・・あ、違うグループか(笑)

ツアーの先頭にいた添乗員を見つけ手を振る。
ここで簡単にお客様に挨拶。

雨でキャンセルが多く、14名だったけど、顔見知りのお客様が・・・1、2、3・・・5人程居た!
寂しがり屋のボクは、一気にテンションアップ!

タクシー4台に分かれ登山口へ!

登山口の大平牧場は他に登山者は無し。
改めてお客様に挨拶と、注意事項など話し、準備運動をします。

この時も、お客様の顔色や、行動の機敏さなどを観察しています。
ボーっとしているようで見てるんですよ~(笑)

ボクは一度、一緒に歩いたお客様の顔を忘れないという特技があります・・・(自称)
きっと、こういった注意観察から記憶に残るのかなとも思います。

ギリギリまでレインウエアの着用を迷いましたが、準備運動中にパラパラ降ってきたので、迷わず着用指示を出しました。
雨が降ったり止んだりは大変だけど、面倒くさがらずやることが山では重要です。
今回は、気温が低かったので、まだ快適な方でした。

行程時間に余裕のある今回は、ゆっくり自然解説をしながら歩きます。
知ってることは惜しみなく話し・・・知らない植物があったら見て見ぬふりして通過!(笑)

本格的な岩場の手前の扇平にて簡単なランチタイム。
ここで腹ごしらえするのがベスト!

ストックもなるべく脚力を温存するためにギリギリの地点まで使用。
まあこの辺は、勝手知る慣れた地元の山だから指示できるところです。

鎖場の通過は、神経を使います。
どんな微細な危険も徹底して注意喚起します。
そうすることによって、ツアー全体の集中を高めていけると思っているからです。

登山は、迅速に機敏に行動しなければいけない場面も多くありますが、危険な個所では自身の安全を最優先します。

だからボクはこう言います。

「危険個所はゆっくりでいいですよ!人を待たしてもいいんです!自分の安全に対しては図太くなっていいんです!」と

もともと図太い人はもってこいですね(笑)

みんなで滑る岩場、鎖場を越え、いよいよ核心部!山頂直下の鎖場です!
ここ、マジで難しいです。

まあ、実際に目の当たりにすれば、皆巻き道を選ぶだろう・・・。

その考えは安易でした(^^ゞ

皆、やる気満々!?

もし、雨が降っていたなら迷わず全員巻き道の指示を出しますが・・・幸か不幸か雨は上がっている(汗)

実際にどれだけ滑るか実演してみる。

ツルツルである。

さあ、どうする?

お客様、皆瞳を輝かせてるし・・・(-_-;)

明らかに無難に巻き道を行きたい添乗員さんの熱い視線を感じましたが、すいません、Sっ気に火がつきました(笑)

ロープを出してハーネス装着!
お客様にはチェストハーネス!

核心部上部のテラスでビレイし、1名ずつ登って頂きました!

実際に岩に取り付くと、予想以上に滑り、必死に格闘する。
ドSの血が騒ぐ!?(*^^)v

必死に頑張る人が好き!

安全確保は万全だから!絶対に守るから頑張って!
心の中で叫びました。

本当にツルツルツルツルツルツルツルツル滑りながら無事に登頂!(^^ゞ

一番最初にアタックした勇気ある女性はテラスに上がると燃え尽き、恐怖でその場から動けなくなりました。
「その場で休んでてください。後で上まで確保しますから」
お客様・・・「はい。お願いします」

本当に頑張りましたね!

貴重な経験を笑顔で話しながら下山!(*^^)v




条件の悪い雨の乾徳山だけど、スゴく楽しかった!

楽しい1日を本当にありがとうございました!


100均の椅子の足用カバー
よいアイディアですね!