2014年6月30日月曜日

八ヶ岳バリエーション天狗尾根

2014年6月30日

清里美し森~地獄谷~赤岳沢~赤岳天狗尾根~真教寺尾根


前日、急遽休みになり、天気予報を見た。

まずまずの予報。

梅雨で不安定な天候が続くなか、晴れマークになるとじっとしていられない。

日々、山に登っているから身体を休めればいいのに、なんでじっとしていられないんだろう?

八ヶ岳の東面を代表するバリエーションルートである赤岳天狗尾根単独行の構想が頭の中で浮かんできた。

一度、ひらめき、イメージするともう止まらない。

久しぶりの自分の山に、静かに興奮した。

目覚まし時計を3時半にセットし、準備する。

「ラッシュスタイル」

余計な装備は一切排除し、軽量化する。

普段、ガイド時は危急時に備え、さまざまなアイテムを装備し、例え日帰りであっても、それなりに重くなる。

パッキングを終え、持ち上げるとその重さに驚いた。

軽い。

装備の重さは不安と比例するのかもしれない。

荷物の軽さを実感し、天狗尾根を一気に駆け上がるイメージを抱き、0時を過ぎた頃、眠りについた。



目覚ましが鳴り、目覚めると素早く行動する。

もうスイッチが入っている。

コンセントレーションが高まる感覚が心地よい。


登山口である、清里の美し森に到着。

他に車は1台のみ。

しかし、八ヶ岳の東面は、例え休日であってもこんなものだろう。

静寂の東面。

それがこのエリアの魅力。

5時少し前に出発し、しばらくは林道歩きだ。

何度か徒渉を繰り返し出合小屋に着いた。

時計は6時10分。

まずまずのタイム。

地獄谷から赤岳沢に入る。左岸から、右岸へ移動しながら歩くが、ササやぶの藪こぎが煩わしいので、沢を忠実に詰め上がることにした。

出合小屋から30分の地点で尾根に取り付き、急登を一気に上がる。

赤岳沢から天狗尾根に登る枝尾根は何本かあるけど、まあどこでもいいだろう。

それがバリエーションというものである。

笹の根を掴みながら壁のような斜面を登っていく。

きっと、この枝尾根はいわゆる一般的な取り付きでは無いのかも知れない。

そんなことを考えながら、踏み跡の無い急斜面の尾根を上がった。

きっと誰もいないであろう広大な東面に、自分ただ一人だけなんだと思うと、心がワクワクした。

7時ちょうど、天狗尾根の稜線上にでた。

ここから岩稜帯までは、尾根を忠実にたどる作業だ。

体力勝負の急登を、心拍数をガンガンに上げて追い込む。

ここ最近は無かった自分の呼吸音だ。

岩尾根に辿り着くと、可愛い高山植物が出迎えてくれた。

誰もいない場所に、咲き誇る花達。

最高の演出に歓喜の声で叫んだ。

緊張を要する岩場を抜けて赤岳に到着し時計を見ると、9時半を示していた。

自由に動く自分自身の身体に満足し、真教寺尾根の急斜面を駆け下りた。

集中し、エネルギーを爆発させ、「自分の山」に満足した6時間半だった。

登山口の美し森駐車場
しばらくは林道歩き
出合小屋までも何度か徒渉します
マイズルソウ
ミヤマカラマツ
ウマノアシガタ
出合小屋(無人小屋)
天狗尾根へは最初、赤岳沢を詰め上がります
枝尾根から天狗尾根の稜線を目指します
枝尾根は物凄い急斜面
一気に高度を上げます
天狗尾根にでました
権現岳と旭岳
ゴゼンタチバナ
遠くに大天狗と赤岳
あそこを登ります
蟻の戸渡り!?
キバナノコマノツメ
カニのハサミが見えてきたら、ここから岩稜帯です
岩稜帯に入ると美しい高山植物のお目見えです
ミヤマシオガマ
まるで盆栽のようなカラマツ
ハクサンイチゲ
チョウノスケソウ
イワウメ
ホソバノアマナ
ミヤマダイコンソウ
大天狗
絶対に墜ちれないです
オヤマノエンドウ
小天狗
イワベンケイ
小天狗を抜けると一般登山道です
一気にガスってきました
クモマナズナ
ミヤマキンバイ
イワヒゲ
赤岳山頂
行者小屋を見下ろす

真教寺尾根も、長い鎖場です
ツガザクラ
県境尾根と真教寺尾根
コイワカガミ
ハクサンイチゲと天狗尾根
シナノキンバイ
牛首山
湿原
サギスゲ
到着!(*^^)v